本コラムは、【連山】に 2006年12月18日に投稿したコラムです。
【旧連山コラム】円安ドル安ユーロ高
橘みゆき 2006年12月18日
世界中に多くの通貨が存在するのに、TVや新聞で伝える為替相場の情報は1ドル何円といった円ドル相場だけしか伝えていません。
1ユーロ何円という情報が加われば良いほうです。
12月(2006年)に入って、1ドル=114円台になったり118円代になったしているものの、おおまかに見ると1ドルは105円~125円の水準を行ったりきたりしています。
ところが、対ユーロでみると、1ユーロ=150円を超え、円の価値は最安値の水準です。
1ユーロが90円を割っていた頃もありましたから、円・ドル・ユーロの関係でいうと、円安ドル安ユーロ高になります。
別段、ユーロが強いからというわけでなく、円もドルも国際的な力を失いつつあると市場が判断しているからです。
敗退がほぼ決まったイラク戦争の行方や、日本がドルを買い支えても先がないと足元を見られています。
他国に目を向けると、東南アジアの通貨、タイ・バーツなども数年来のドル安バーツ高で金融当局により市場介入をするしないという話題となっています。
支那の元についても、元の切上げ圧力が強まりつつあります。
中東の産油国もいまではユーロでも石油を売り、ドルの保有割合をどんどん減らしています。
中東でもユーロのような統一通貨を作ろうという動きがあるのですが、ドルにリンクするか、ユーロにリンクするか、両方の通貨のバランスをとるか議論がまとまらず、とりあえず結論を先送りしています。
砂漠の民はしたたかです。
アメリカが強かった時代はドルでしか石油を売らなかったのですが、アメリカが弱くなった途端、ユーロでも石油を売るようになりました。
ユーラシア大陸の共通通貨はないのですが、事実上ドルが流通していたのが、次第にユーロに置き換わりつつあるのが現状です。
ドル以外だとGOLDが使われていますが、GOLDは630ドル前後で推移していますので、一時期に比べれば2倍以上となっています。
ニクソンショック以後、金本位制度が崩壊し、石油ドル本位制度が続いていましたが、21世紀になって、米国の衰退がはっきりするにつれ、ドルもまた弱まってきています。
海洋国家(米国、英国、日本)が大陸国家(EU、ロシア、支那)に逆転されつつあるといっても良いでしょう。
この動きは大陸国家の力の源泉となる資源価格が暴落するか、石油があまりいらなくなる社会に変わるエネルギー革命が起こらないと数十年続くこととなるでしょう。
橘みゆき 拝
※2009/07/30追記。
この記事では、ユーロ高となるだろうと書きましたが、今回の世界同時バブル崩壊の局面で、欧州経済は徹底的にひっくり返されました。
損失を隠しきれるものではありません。
現在の状況を強いて言えば、伝統的な国際通貨である GOLD に対して、円安ドル安ユーロ安と、世界各国の通貨は全面安です。
また今年も8月15日がやってきます。1971年08月15日のニクソンショックがありましたが、今年も似たようなことが起こるかもしれません。
Neo-Generation.NETへ再掲載:2009/07/30 橘みゆき 拝
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